「なぜか、前に進めない」
完璧にこなしているはずなのに、心のどこかに引っかかりを感じている・・・そんな感覚を覚えたことはありませんか?
まわりから見れば「順風満帆」に見える。
けれど、本人だけが気づいている違和感がある。
「もっと成長したいのに、なぜか動けない」
「やるべきことは分かっているのに、踏み込めない」
「今の自分のやり方が、なぜか通用しない場面が増えてきた」
これは、成長の先に必ず訪れる“ある壁”のサインかもしれません。
今日は、自分でなんとかしようとするほど行き詰まる”コントロールの壁”についてお話しします。
成功者がぶつかる「努力で何とかする」が通用しない“見えない限界”
これまで成果を出してきた人には、ある共通点があります。
それは「自分の意志と努力で現実を動かしてきた」という成功体験です。
- 準備を徹底的にする
- 想定外を減らす
- ミスを予測して潰す
- 誰かに任せるより、自分がやった方が早い
- 完璧を目指す
あらゆる問題を一つずつ乗り越えるために自分の行動と判断で、着実に先に進める。
このような積み重ねが、まさにあなたの実績や信頼を築いてきたと思います。
でもある地点から、そのやり方が通用しなくなる瞬間が訪れます。
それは、これまで武器だったものが、見えない足枷となって現れる瞬間です。
成功パターンが“足枷”になる
「努力すればなんとかなる」
この信念がある限り、人は前に進み続けられます。
ですが、成果を出し続けてきた人ほど、そのパターンから抜け出せなくなるという“副作用”があります。
たとえば、
- 準備が不十分だと動けなくなる
- 想定外が起きるとパニックになる
- 自分で手を動かさないと不安になる
- 他人に任せると、成果の質が下がる気がする
- 「完璧でないといけない」が無意識に染みついている
このように、かつては自分を前進させてくれた成功の「型」が、逆に自由を奪い始めます。
また、成果を出す人ほど、「自分でコントロールできる範囲」で物事を動かしている傾向があります。それ自体は悪いことではありません。
むしろ、社会においては高く評価されて、信頼を勝ち取る強力な武器になります。
でも、次のようなパターンに入っていることに気づかないと、意識の伸びしろが止まってしまいます。
- 完璧な準備がないと動けなくなる
- 自分以外の動きが読めないと不安になる
- 他者に任せると成果のクオリティが落ちると感じる
- 「想定外」が怖くて、新しい挑戦を避けるようになる
つまり、自分の想定内=安全地帯(コンフォートゾーン)でしか行動できなくなるのです。
次のステージは「自力では到達できない領域」
ビジネスでも人生でも、あるレベルを超えると、「委ねる」という選択が避けて通れなくなります。
具体的には、
- チームに任せる
- 流れに乗る
- 感覚で動く
- 時には“余白”を取る
これらは一見、「非効率」や「危うさ」に見えるかもしれません。
でも、次のブレイクスルーは“思考の外側”にあります。
今まで通用していた方法が通用しなくなったと感じたとき、それはあなたが「より大きな意識領域」へと移行するサインかもしれません。
安定とは、実は「幻想」かもしれない
人は、安定を求める生き物です。それは本能的な欲求であり、「次の一手を確実にしたい」という知的な戦略でもあります。
たとえば、あるビジネスパーソンの話です。
大手企業で安定した収入を得て、一定の裁量も与えられているポジションにいました。外から見れば理想的なキャリアパスです。
でも本人は気づいていました。「これ以上ここにいても、自分の成長は止まる」と。とはいえ、そのポジションを離れることは、コントロールできている人生を手放すことを意味します。
その恐怖は、まるで高速道路を時速100kmで走っている車のハンドルを、突然手放すような感覚です。
たとえ「この車は自動運転だから大丈夫ですよ」と言われても、手は自然とハンドルを握り締めてしまいますよね?これが「コントロールの中にある安心」です。
自分でハンドルを握っていないと不安になる理由
コントロールを失うことが、なぜこれほどまでに怖いのでしょうか?
それは、自分の舵を自分で取れなくなる感覚への恐れです。
自分の意思で方向を決めて、計画を立てて、修正しながら進んできた人にとって、「先が読めない状態」というのは極めてストレスフルです。行動の根拠が揺らいで、結果が不透明になることで、足が止まってしまいます。
たとえ草原のような開かれた場所にいても、「自分がどこへ向かっているのか分からない」という感覚は、安心ではなく不安を引き起こします。
進んでいるはずなのに、どこにたどり着くのか見えない・・・これは思考優位な人ほど強く感じる不安です。
さらに厄介なのは、こうした不安が「今すぐ危険があるわけではない」からこそ、自分でも理由が説明しづらいということ。
論理では処理しきれない、けれど身体や感覚が拒否反応を示す。これがまさに、「Uncertainty=不確実性」に対する人間の本能的な反応なのです。
コントロールが失われることは、単にやり方を変えるだけの話ではありません。自分の存在意義そのものが揺らぐような感覚を呼び起こします。
だからこそ、この壁を超えるには、「行き先が見えないことに耐える力」や、「自分を信頼する力」が必要になってきます。
「コントロールを手放す」は、意識進化の最上級課題
このテーマは、意識の成長ステージでいえばレベル8〜9相当の極めて高度な領域にあたります。単なるマインドセットや行動習慣の話ではなく、在り方の変容そのものです。
たとえば、バンジージャンプ。
いくら「大丈夫、安全だよ」と言われても、初めて飛ぶときは本気で怖い。飛んだらもう、自分の意志では何もできない。速度も、落下も、すべてはロープに任せるしかない。
ここで多くの人が感じるのは、「このロープ、本当に大丈夫なのか?」という未知への不信感です。でも逆に言えば、そこに絶対の信頼を置けるかどうかが、次のステージに進めるかどうかの鍵になります。
これは人生でも同じです。
ある瞬間から、「コントロールして進む」フェーズから「委ねて進化する」フェーズへと変わるタイミングが訪れます。
そしてその変化は、過去の成功パターンを一度脱ぎ捨てるようなプロセスになります。だからこそ、“恐れ”と“信頼”のどちらを選ぶか・・・
その選択こそが、意識の進化を決定づける分岐点になるのです。
「委ねる」という最も高度な実行力
“委ねる”という行為は、決してあきらめや依存ではありません。
むしろ、自我(エゴ)を超えた実行力です。そしてこの実行力は、「自分が何とかしなければ」という執着を手放して、結果を信じるという選択でもあります。
たとえば僕自身、セッション中に「自分」がいなくなる感覚を体験します。
それは「あつしが話している」のではなく、「場が自然と動き出す」という現象に近い。
そのとき、僕の中の「成果を出さなきゃ」「ちゃんと価値を提供しなきゃ」という声が出てきて、正直、内側で「黙れ」と言われるのです(笑)。
“喋るな、やりすぎるな、任せろ、今は委ねろ”と。
実際、頭で組み立てた言葉よりも、その場に任せて出てきた言葉のほうが、深く人に届いたりします。
その体験を何度もしてきたからこそ、今は多少の不安があっても、一歩引いて「任せる」姿勢を意識的に取れるようになってきました。
頭で考えて動くのではなく、考えずに「存在で応える」。今ここで何が求められているかに“ただ在る”という選択。
これが委ねるという選択の本質であり、実は一番難しい“型のない型”です。
次のステージへ進む方法
コントロールを手放す怖さを感じるのは、あなたが“次の自分”に進もうとしている”証拠”です。
「まだ信じきれないけど、でも少し動いてみたい」
その感覚こそが、新しい領域に足を踏み入れる準備ができているサインです。
とはいえ、頭の中に積み上がった思考や不安がブレーキになっていると、その一歩すら踏み出せなくなってしまうこともあります。
手放すことは怖い。でも、それを乗り越えた先には、驚くほど静かで軽やかな世界が待っています。
まずは頭の中を静かに整えることから。それが「委ねる」ための第一歩です。
そこでまず体験していただきたいのが、思考の渦をリセットし心体と意識をチューニングする “脳内デトックス動画”です。
この動画では、行動や努力に頼らず、“ただ在る”状態を取り戻すための入り口として、ぜひご活用ください。